1年がかりで準備したランディ来日の計画が、ようやく実現しようとしていました。 いつも海外のブリーダーの友達の所へ遊びに行くときと違って、私は緊張していました。前日もよく眠れず、4時半に起きて5時半に家を出てセントレア空港に向かいました。 4,5年ぶりのアメリカ行きです。ワシントンへ着いたら放射能を計られるのかな?とかつまらないことを考えていました。(実際はそんなことは全然ありませんでした)
北極圏あたりを飛んでいるときに、飛行機の中で“オーロラが見える”、と隣の席の方が教えてくれました。かすかに水平線が緑っぽい光りが見えましたが、それがオーロラなのかな???
ワシントンDCには金曜日の朝の10時半頃到着。オハイオの友達ナンシーが先に到着していました。空港まで迎えに来てくれたJOVAL犬舎のジョンの車にナンシーと乗り込みます。ここから約30分ちょっと、バージニア州のJOVAL犬舎へ到着です。 ヴァレリアは獣医で病院があるので、迎えに来れませんでしたが、家にいったん帰っていました。私たちは真っ先にランディの書類をチェックしました。実は、政府発行の浮きだし印なるものが少し抜けていたのでした。前日、動物検疫所に書類をスキャンしたものを送ってあったのですが、その時にも言われていましたが、結果的にはこれで大丈夫というお墨付きをもらっていました。いったい、今まで何度検疫所とやりとりしたことでしょうか?たぶん10回ぐらいは色々な書類を確認してもらったと思います。 しかし、実際書類を目にしてみると、不安になりました。ヴァレリアも同様で、ここにきてランディが成田で足止めをくったのでは大変です。ということで、結局金曜日の4時までやっているバージニア州の役所まで念のため浮きだし印をもらうために出かけることになりました。
ヴァレリアはもう一度病院に戻るため、ナンシーが車を借りて運転してくれることになりました。外は雨が時折激しく降る最悪の天気でしたが、その中を2時間かけて役所まで行ってきました。 “着いたばっかりなのにまた乗り物かあ・・・” 12時間のフライトに疲れた私は時折車の中でウトウト・・・
アウトレットから帰ってくると、私はランディを散歩に連れて行くことにしました。ここにいる短い間に少しでも私のことを覚えて欲しいものです。 でも、、、何だかランディの情けない顔。夕べ、ヴァレリアが見せてくれたときのように明るくてシャキッとした感じはありません。私のことを誘拐犯ぐらいに思っているのかも・・・。
ヴァレリアの家は山のてっぺんにあります。散歩はどうしても山を下るほか選択肢はありません。さえない顔のランディといっしょに山を下り始めました。 “しっかりリード持っててよ” ランディを犬舎から連れてきたジョンに言われましたが、ランディはまったくお利口さんなのか、あまり私と行きたくないのか、リードを引くこともなく歩いています。 行きはヨイヨイでしたが、帰りはひたすら上り坂。私の心臓は破裂しそうで、思わず“ランディ、引っ張れ!” でも、ジョンからもらったトリーツをふんだんに与えながら散歩したせいか、ランディは少しずつ楽しそうなそぶりを見せるようになりました。 早く仲良くなりたいけど、無理は禁物。今日はここまでで十分。
デザートにはろうそくが1本立ててあり、誕生日気分が盛り上がりました。(ちょっと恥ずかしかったけど)この他にもレストランからはキャンディーの入ったワイングラスをプレゼントしていただきました。
何回目の誕生日だったかは自分でもあえて数えていませんが、思い出に残る誕生日となりました。
この日は日曜日なので、ヴァレリアも病院はお休みで、私たちといっしょに過ごすことができます。昨日の夜も、ヴァレリアにたくさんのことを質問しましたが、実際私にとっても残すところ今日一日、まだまだ聞き足りないことがあるので、忘れないようにしなければ・・・
まずは、ヴァレリア、娘のオリヴィア、友人のジュリア、ナンシー、そして私とでワシントンDCへ向かいました。ちょうどワシントンDCでは桜祭りが開催され、どこもかもものすごい人です。ヴァレリアによると、お祭りというだけではなく、この辺りはいつもよく混んでいるそうですが・・・ 肝心の桜はもう満開も過ぎ、ほとんど花が落ちてしまっていて残念でした。 駐車スペースはどこもかも満車です。何度も同じようなところを回りましたが、なかなか見つかりません。そのうちにオリヴィアもむずかり初めました。 “ヴァレリア、もう帰った方が良くない?” 私は尋ねましたが、オリヴィアのためにも15分ぐらい外に出してやりたいので、何とか車を止めると再び探し始めました。 ようやく、車を止めるとみんなで歩き出しました。 ここはスミソニアン博物館が建ち並び、全部で19の建物があるそうです。それが全部無料というからすごいです。
さて、家に帰ったら、疲れていましたが時間が惜しいので、すかさずランディを連れてきてもらい、再びあの山の上り下りのキツイ散歩に出かけました。 身体はきつかったけれど、ランディは昨日と違ってすっかりうち解けたように見えました。大きな収穫あり!
散歩の後は、JOVALのパピーたちを見せていただきました。このパピーはリビングにいるレイチェルの子どもで、現在4ヶ月。まだ4頭ぐらいいましたが、この子だけ断尾していません。それはこの子はスウェーデンに送られるからです。ヨーロッパはもちろん断尾禁止です。
あっという間に最後の夜になりました。この日お料理を作ってくれたのはオリヴィアのベビーシッターです。彼女はまだ20歳でとてもキュートな女の子です。住み込みでベビーシッターをしていますが、それだけではなくてお料理も上手、きっといつかいいお嫁さんになりそうです。デザートは1時間ぐらい離れたところに住んでいる、ヴァレリアのお母さんの手作りのティラミスでした。
その夜、次の朝が早いので皆さん寝静まった後に、私はジュリアとずっといっしょにおしゃべりしながら、ジュリアが作っているものが完成するまで待っていました。
初めての犬連れのフライト。何だか緊張して夜も眠れませんでした。ヴァレリアはちょうどその日セミナーの講師をつとめるため、朝7時に出かけていきました。ワシントンDC空港にはジョンと1時間後のオハイオ行きに乗るナンシーといっしょに出かけました。 ランディの準備は万端です。ヴァレリアは朝早くランディと別れの挨拶をしたそうです。どんなに辛かったかと思うと、胸が締め付けられる思いです。
チェックインカウンターまでジョンが付いてきてくれました。飛行機に乗る前に、ランディもバリケンから出て、中をチェックされます。 “ランディ、元気でな! 来年日本に会いに行くよ!” ジョンに抱かれたランディは不安そうでした。。。