Home / Journey /A visit to Joval Kennel

久しぶりの米国出張で、しかも今回はワシントンDCに行くということで、この機会に以前から是非一度訪れてみたいと思っていたJOVAL犬舎を訪問してきました。

JOVAL犬舎は“つうしん2005年秋号”でも紹介したように、いまや米国を代表するトップブリーダーで、世界最大のテリアの祭典モンゴメリー展を始めとして、世界各地のビッグショーで毎回高成績を収めている有名犬舎です。主人のジョンは大手通信会社に勤めるコンピュータプログラマーで、奥さんのドクターバレリアは地元で動物病院を経営する獣医師です。

11月22日土曜日、前日に仕事を終えてバージニア州ワシントンダレス空港から20キロほど北西へ行ったところのリーズバーグという町のホテルに宿泊していると、お昼過ぎに獣医師の仕事を終えたバレリア が車で迎えに来てくれました。車の後ろには数日前にノルウエーから来たばかりのミス・マーティが同乗していました。彼女はJOVAL犬舎のヘルパーとして2月中旬まで滞在するそうです。
JOVAL犬舎に向かう途中、この地方の伝統的レストランでランチを取り、それからGreat FallsNational Parkに立ち寄り3人で少し公園内を散策しました。この公園は、ワシントンDCのポトマック川の上流にある広大なナショナルパークで、土曜日ということもあってたくさんの観光客であふれかえっていました。中には犬づれも多く見られました。日本と違ってラブラドールやゴールデン、ロットワイラーなどの大型犬が圧倒的に多く、小型犬を殆んど見なかったことはいかにも国情の違いを物語っているようでした。

11月22日JOVAL犬舎
JOVAL犬舎に到着したのは夕方5時くらいだったでしょうか。2階にある玄関からリビングダイニングに入った途端、犬たちによる大歓迎のキスの嵐です。広いスペースですが回りは犬だらけです。彼女の家の様子は以前から知っていましたが、第一印象はそれをはるかに超えるものでした。広いリビングダイニングには成犬のエアデールが6頭と仔犬が6頭、そして生後4ヶ月ほどのワイヤーフォックステリアのZenzi(牝)、イスラエルから来た8歳になる猫のLegdorr(牡)がいました。
ここにいる成犬のエアデールたちは全てチャンピオン犬です。上は8歳になる子から2歳の子まで、ショーの世界からリタイヤした子達です。中には2年前の英国クラフト展と昨年のストックホルムのワールドドッグショーでベストオブブリードの栄冠に輝いたクリッシー(Ch.JOVAL ANGEL'S KISS)もいました。そして、今年のモンゴメリー展でウイナーズビッチ&アワードオブメリットを獲得したJOVAL FIRE DANCERもこの中にいました。成犬6頭のうち2頭が牡で、残りの4頭が牝です。また、パピー6頭のうち1頭は4ヶ月くらいになる子で、残りは2〜3ヶ月になる子たちで、2頭2組は兄弟同士ですが、他の2頭はいずれも違う母親から生まれてきた子達です。

JOVAL犬舎で最も強く印象に残ったのが、このリビングダイニングでの生活です。50畳以上あるこの部屋は、玄関を入って右側1/3がダイニング、左側が2/3がリビングルームとなっています。リビングにはパピー用に3つのゲージとワイヤーのZenziのためのバリケンネルがひとつ、成犬用にひとつのゲージ、ドッグベッドが3つ程、床に置かれています。ソファーの横には少し小さめのトリミングテーブルが置かれていました。成犬たちはフリーの状態です。皆、それぞれお気に入りの場所でくつろいでいます。夜寝るときは、寝室のある2階へ全員移動します。
ただパピーたちはそうはいきません。基本的にケージの中ですが、朝昼晩と、結構こまめに外に出して小犬たち同士遊ばせます。この家はリビングを取り囲むように広いウッドデッキがあります。子犬たちは中と外の両方で走り回ってよく遊んでいました。

JOVAL犬舎の犬たちはどの子達も仲良しです。
成犬も子犬もとても仲良く、そしてワイヤーフォックステリアも、猫も、みな仲の良い友達同士といった感じでした。この家ではソファーの上に飛び乗ってもOKです。ある子はソファーの上でくつろいでいたり、ある子はドッグベッドの上でおもちゃで一人で遊んでいます。そして時には思い出したようにみんなでふざけっこをして遊びだします。
成犬同士、成犬と子犬、子犬同士、そして犬と猫、いずれも私の滞在期間中、喧嘩や小競り合いなど一切ありませんでした。そして、これだけの犬がいるにしては部屋がとても静かです。バレリアにその理由を聞いても、本人もよく分からないけど、いつもこんな感じだよって言っていました。
  JOVAL犬舎の犬たちは、人間に対してもとてもフレンドリーで、かつ社会生活の中での自分の順位をよく認識しているように思われました。ジョンとバレリアに対する眼差しには尊敬と愛情に満ち溢れるものを感じました。

子犬たちとケンネルの犬たち
海外の犬舎に行くとどこでもそうですが、テーブルの上で自慢の犬たちを一通り見せてくれました。JOVAL犬舎も同じです。まず最初はリビングにいる小犬たち。そして次は一階ケンネルにいる犬たちです。JOVAL犬舎には一階がケンネルになっています。ここにはリビングにいる子達とは別に、成犬が8頭と英国ジョッキル犬舎から来た7ヶ月程になるパピーが1頭いました。ここにいる子たちは、CH.JOVAL ARILY GRANDILLUSION(OZZY)やCH.JOVAL ANGEL'S FANFAREといった子達で、現役の犬達です。部屋の広さは30畳ほどあったと思います。ここでも全員トリミングテーブルの上で見せてくれました。

Faith(生後4ヶ月)
Arily Ggand Illusion×Joval Keeping The Faith

Gordon(生後2.5ヶ月)
CH.JOVAL Angel in Disguise×Joval Flashback to the Best of Times
Star(生後2.5ヶ月)
CH.JOVAL Angel in Disguise×Joval Flashback to the Best of Times
ドクターバレリア(右)とマーティ(左)
仔犬達とくつろぐジョン
全員集合
ソファーの上には猫と子犬
プレイタイム
CH.JOVAL ANGEL'S FANFARE

11月23日ドッグショーとワシントンDC観光
翌日の日曜日は、朝8時45分に家を出て、ワシントンDC郊外にあるUPPER MARLBORO KENEL CLUB主催のオールブリードドッグショーに行きました。バレリアはスモールショーだと言っていましたが、トータルの出陳頭数は1491頭。日本の感覚では決して少なくない数字です。エアデールに関しては登録が8頭と少ない上に、実際に来ていたのはバレリアが連れて行った3頭だけの寂しいものでした。彼女に言わせると、今日はこのエリアでいくつかのショーがあり、多くの人はあっちこっちのショーに出陳登録をしていて、誰がジャッジか、また出陳頭数を見てどのショーに出すかを決めるとのことでした。そもそも彼女がこのショーに出陳したのは私のためで、アメリカのショーがどんな感じかを私に見せてあげたかったからと言っていました。

バレリアが連れていった子は、CH.JOVAL ANGEL'S FANFARE(13ヶ月)、CH.JOVAL GODDESS OF LOVE(2歳)、JOVAL ANGEL'S DREAM(6ヶ月)の3頭です。少し意外だったのは、彼女のショーの準備が実に簡単だったことです。前日は、夜に出陳犬の毛を少し梳かしただけで終わり。ショー当日は審査が始まる1時間くらい前に行けば十分ということで、出発ものんびりしたものでした。そして、ショーの会場へはトリミングテーブル2台とトリミング道具が入った箱だけ運んで、後はなにも無し。イスも犬たちのゲージも何も無しです。スモールショーということもあるのでしょうが、彼女の態度には気取った感じは全く無く、実にのんびりしたものでした。審査が始まる前の犬の手入れも、一通り梳かしてお終いで、後は隣のケリーブルーの友達とのおしゃべりを楽しんでいました。

ショーが終わったあと、バレリアは私をワシントンDCの市内観光に連れていってくれました。とりあえず犬たちを車に残し、人間だけホワイトハウス周辺を一回りし、途中カフェでランチを取ったあと、今度は犬たちを連れてプレジデントパークの散歩を楽しみました。犬たちにとってもすばらしいご褒美でした。天気もすばらしく、ポトマック川周辺の散歩は本当に楽しい気分でした。
散歩の後は、古い町並みが続くジョージタウンの町をドライブし、途中スーパーマーケットに立ち寄り買い物をして夕方に帰宅しました。帰宅後、バレリアとマーティは犬たちの世話をして、そして一段楽した後、ジョンも含めて4人で夕食を食べました。この間にブリーディングや食事の与え方、アメリカのエアデール事情など、いろいろな話を聞くことが出来ました。
翌日月曜日は帰国の日です。会社に出勤する途中にジョンが空港まで送ってくれました。JOVAL犬舎にはわずか2泊の滞在でしたが、本当に充実した内容の滞在となりました。暖かく私を迎えてくれたナイスガイのジョンと、美人で冷静沈着のバレリアには感謝の気持ちでいっぱいです。そして、ノルエーから来たマーティにはJOVAL犬舎のノウハウの全てを身につけて帰国して欲しいと願います。彼女とはきっとどこかでまた会える様な気がします。

ショー前の準備
CH.JOVAL GODDEZZ  OF LOVE
ショーの後の散歩
ワシントンDCプレジデントパーク